中高生だった私に伝えたい奨学金と大学進学の話

 中・高校生や大学生が進路を考える時、よく聞かれる3つの質問。

  • 「将来、やりたいことは何?」
  • 「好きなことは何?」
  • 「得意なことは何?」

 私はずっとこの質問から逃げてきました。やりたいことや好きなことってよくわからない。それでも私は奨学金を借りて進学しました。今回はその後どう思っているのか、奨学金と大学進学というテーマについて今だからわかること、高校生だった自分に伝えたいこと、書いていきたいと思います。

大学で何するの?

大学進学とは?

大学で学んだことを活かして働いている人ってどれだけいるんでしょう?
考え方を学べたと言う方、結構いると思うんですけど本当ですか?

 私は専門知識が活かせる仕事を選んでいるので、大学時代に学んだことを直接使って仕事をしています。貧乏性なので学んだことを、無駄にしたくないという気持ちからです。それでも、社会人になってから学んだことの方が圧倒的に活かされているような気がします。必要に応じて覚えたことだからだと思います。

 ところで、ジブリ映画の「耳をすませば」。本当によくできた映画だなーって思います。中学生の雫ちゃんと聖司くんが自分の将来について、本当に真剣に向き合っていて素敵だなと思いました。恋をして、進路を考えて、自分を試して、やっぱり勉強が必要だと気づいて、、、。
途中、こんなやりとりがあります。

雫  「進路っていつ決めたの?」
   ーー中略ーー
しほ 「それを探すために大学行ってんの」
雫  「・・・」
   ーー中略ーー
しほ 「中学出ただけでどうやって食っていくって言うのよ?!」

 「自分探しの旅」と聞くと「そんな放蕩な」「贅沢ね」「何を探すと言うのか?」といった風になります。でも、大学に行くとなると「勉強するんだもんね」となります。」と。全て真実だと思います。大卒じゃないと就けない仕事も多いです。でも、奨学金を視野に入れている方は、おうちにお金があって年間数百万円くらいは余裕で出せます、という方ではないのですよね。そうであれば、奨学金を借りて進学する方は相当な強い意志と目標を持って4年間を過ごさなければなりません。大学生活の4年間は本当に誘惑が多いです。のらりくらりと自分探しをしているうちにあっという間に卒業です。残念ながら私はそうでした。なので例えば、学力的に偏差値が低い学校でも、本当に看護師になりたければ看護科あるいは看護専門学校に行くしかない。

大学の費用

 大学の学費って総額いくらか知っていますか?私がパッとグーグルに「大学 学費」と入力したところ4年間で

国公立なら243万円、私立なら352万円

と出てきました。さらに、遠方で一人暮らしであればアパート代と生活費が加わってきます。月10万円と見積もると4年で480万円。でも、これだけの費用をかけて自分探し。どうですか?総額700万円を軽く超えてますね。国公立でも私立でもいいんですけど、私にとっては分不相応な大学ライフだったかもしれないと思うことがあります。とっても楽しかったんですけどね。夫にも出会いましたし。

奨学金を借りるときに覚えておいてほしいこと

奨学金とは借金である

 最近よくニュース等で言われることですが、日本学生支援機構の

貸与型奨学金である第一種(無利子)、第二種(有利子)は借金です。

私はこのことを本質的に理解しないまま、奨学金を借りて目的もなく進学してしまいました。これから奨学金を借りて進学する学生にはぜひちゃんと理解して欲しいです。特に第2種は有利子です。利子とは何なのか、いくら借りて何年かけて総額いくら返すのか?そこまで計算して借りるべきものです。(バイトして学費を貯めてからと言う方もいそうですが、それだけ貯まるまでに何年かかるのか?何歳から勉強してその後のライフプランは?ということと相殺されると思います。)

借り入れ額

 奨学金を借りる際、借金「いくら借りれる?」という考え方は危険です。出来るだけ借入額や利率を小さくする方法を検討しなければいけません。奨学金はどんなに綺麗事を並べても借金です。本当に意欲と目的がある庶民が借りるべきものです。(金利が高かった時代は利率の低い奨学金をたくさん借りて、投資に回してもプラスだったと言う人もいますが、今は空前の低金利と言われる時代。プロ並みの投資の腕が無ければ、そんな金融商品としての価値はないと思います。)

奨学金を返しながらの暮らしとは?

新入社員時代のお金事情について少し書いてみます。

ー新入社員時代の家計簿ー
 月の手取り20万円程度
  奨学金2.5万円
  家賃5万円(駐車場代込みの狭小1K)
  食費4万円(激安食材と飲み代込み)
  光熱費1.5万円
  通信費1万円(ネット・携帯電話・NHK
  ガソリンと車検代2万円(車本体は中古で頂き物)
  貯金3万円(結婚費用)
  お小遣い2万円(化粧品、洋服、小物など)
  *ボーナスは全額貯金(結婚費用)

 だいたいこんな内訳だったと思います。どうですか?私は当時、割と無趣味だったのでなんとか回っていました。(お金ないから諦めていたのかもしれません。)全然余裕ないですよね。手取り20万円ってそんなに余裕ないんですよ。それでも容赦無く引き落とされます。
当時、私は上司や先輩に言われるがまま、毎日2時間ぐらい(月40時間ギリギリない)は残業してました。だいたい7時に家を出て午後20時に帰宅する暮らしです。今思えば、仕事と資格の勉強くらいしかしてなかったし、何も大変なことなんて無かったんですけどね。でも、やっぱり金銭的な余裕は全然無かったです。結婚しない、趣味もない、彼氏彼女と出かけもしないって言うなら余裕かもしれませんけどね。月の食費4万円って自腹の飲み会は月1〜2回、肉は基本100グラム100円程度の豚こまですよ。私はよく近所の1個18円のコロッケとか買ってました。

思うこと

家庭でできること

 大切なことはご家庭で進路とお金について教育することだと思います。お金について話すのは野暮だと思われるかもしれません。思春期・反抗期の子供と真面目に向き合うのは大変な事かもしれません。私も子供が小さいので、この経験はありません。でも、学校ではほとんど教えない最も手薄なところであり、人生で最も重要なことの一つです。何にいくら使うのか、そのために何を仕事にしていくら稼ぐのか。
 私の知り合いママさんは高卒で上場企業の正社員になり、育休・時短を活用して今も一定の収入をキープしています。一方で、もう一人の知り合いママさんは奨学金で四大卒ですが、大卒後3年ほど働いて結婚してからは専業主婦です。どれがいいかはわかりません。性別や学ぶ分野によっても違うでしょう。でも、その違いについて知ることは大切なことだと思います。

 私の親は私に対してお金(奨学金、生活費、給料など)と進路(仕事、結婚、子育て、暮らしなど)について、全く教育をしませんでした。しかも、奨学金として振り込まれる金額は全て親が管理し、いくら振り込まれていくら授業料に使われていたのか私は全く知らなかったのです。だから、年度末の更新審査手続きもマニュアル通りすれば問題なく通過し、私は奨学金について深く考えることなく大学時代を過ごしました。(私の関心がお金に向かないようにされていたようにすら思います。)さらに、卒業間際になって返還手続きをするときになっても「あ、私が返すのか」と感じただけでした。

借りたものは返す

無断で滞納するとブラックリストに入り、クレジッットカードやマイホームローンの審査に通らなくなります。

 大卒でも奨学金を返しながら暮らすのは本当に大変です。それでも借りたものは返しましょう。奨学金は私は奨学金は高い社会勉強代だったと、受け止めることにしました。高校生の時なぜ気づかなかったのか、なぜ周りの大人は教えてくれなかったのか?やっぱり納得いかないこともあるけど、それは他の方や世間には関係ないことなのです。でも、嘆いても変わらない、親は選べません、自分が使ったお金は戻ってきません。

高校生だった頃の私へ問いかけたいこと

最後に、高校生だった私に問いかけたいことをまとめてみます。
 

 本当に大卒じゃなきゃいけない?
 借金してまで、大卒じゃなきゃ出来ないことって何?
 本当はやりたいことがわからないから大学へ行こうとしてない?
 それって専門学校卒でも短大卒でも出来るかもしれないよ?
 オンラインスクールで学べるかもしれないよ?
 働きながら学ぶ方法もあるかもしれないよ?
 自分探しや人脈形成に価値あるレベルの大学(旧帝・早慶)?学部?
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