子育てをしていると育児サイトやママ向け掲示板などでネガティブなことがたくさん発信されているな、と思います。 子育てしてよかったことになると、「大変だけど子供がいるから頑張れる!」とか「子供がいた方が楽しくて幸せ」みたいな漠然とした内容が多いかなと思います。でも、子育てで得るものはプライスレスな幸せだけではありませんでした。なので、子育てで得られるものについて書いてみようと思います。(子供がほしいけどできない方にはちょっと受け取り方が難しいかもしれません。)
生活習慣の質が向上した
ナチュラル系の「ていねいな暮らし」みたいなことではありません。(まっ白のリネンを使って〜とか、贅沢な一手間が上質な〜みたいなそういうことではありません。) 大人になって忘れてしまった普通だけど当たり前のことをもう一度見直すチャンスということです。
早寝早起きと食事
子供に合わせていると寝起きし、決まった時間に栄養ある食事をすることで、大人にもメリットがあります。
子供: 栄養ある食事と十分な睡眠で成長を促す
睡眠不足を防ぎ日中の活動を充実させる、など
睡眠時間の確保(体調やメンタルの安定、お通じ改善)、など
多くの大人が生活リズムについては、結構なあなあになっていると思います。でも、生活リズムが改善されると良いこともたくさんありました。二日酔いでは育児が間に合わないので深酒はできませんし、よく食べて寝ることでお通じがよくなり肌ツヤも改善しました、笑。 私は子供と寝付くと早起きできるので、朝活で仕事の勉強をしたり、ブログの記事を書いたりしています。夫は単身赴任ですが、早寝早起きが習慣化しているらしく仕事前に軽めのランニングをしているそうです。
風邪を引いた時の対処
風邪を引くとどうなるのか考えたことありますか?大人だと薬を飲んで寝てればいいや、となりますが子供がいるとそうはいきません。保育園に通っていれば、発熱や嘔吐下痢があると24時間は登園不可ですから、子供が病気にかかると仕事にひびきます。なので、子供の体調にはすごく敏感になりました。
それが自身や夫の体調にも波及して、全身倦怠感や食欲不振になったり、空咳や透明な鼻水が出ていると悪化させないように気をつけるようになりました。具体的には、病気の始まりだと疑って行動します。具体的には、他人にうつさない、体に負担をかけないように消化の良いものを食べる、暖かくして早く寝る、早めに病院にかかる、などです。
生活態度の見直し
わかりやすいのは箸の持ち方ですが、それだけではありません。パッと思いつくだけでこんな感じ
- 靴(履き物)は脇に並べる(揃える)
- 椅子は入れる
- トイレの蓋を閉める
- 電気は消す(点けっぱなしにしない)
- 扉は静かに閉める
- 机の上に足をあげない
- 食事の時は両手を出して、肘をつかない
- 物を投げ置かない
- 言葉遣い(バカ、死ね、お前などと言わない)
大人でもできない人いますよね。私もできていないことがいっぱいあると思います。しつけ、という言葉は好きではありませんが、「躾 = 生活習慣」だと捉えると当たり前のことです。この当たり前のことを当たり前に行うには練習が必要なのです。もちろん子供は教えてあげて、親が実践しなければ一つもできません。なので、親も大人になってから、もう一度意識して行動することで生活態度が向上します。
実用的な能力も向上した
子供というのは本当に気まぐれで理不尽です、笑。0歳の子供は「ちょっと待って!」が通じません。3歳未満の子たちは母が何を言っているのか分かっても、意味を受け取れないこともあります。また、意味が分かっていても受けとめられなかったりもします。そんな子供と過ごしているとコミュ力や時間管理能力はすごく強化されます。
情報がたくさんある時代ですし、目の前の仕事に追いついていくだけでもすごく大変だと思います。でも、だからこそ逆に、実用的なコミュニケーション能力や時間管理能力ってすごく重要性が増していくんじゃ無いかなとも思います。
時間管理能力
何をするにしても、大人だけで行動する場合の1.5倍くらいの時間を見込んだり、セカンドプランを用意していなければなりません。私はこのセカンドプランが苦手です。思いの外スムーズに動けた時、空いた時間でやることを常にリスト化していないとすぐに動けないのですが、まだまだうまくできません。
うちの子は最近、保育園からの帰りの車で急な予定をブッ込んできます。
「公園に行こうよ!」と言われて「肉じゃがの和定食は諦めてカレーだ!」となったり、
「お店のご飯(外食)にしようよ!」と言われて「すでに作った豚汁は明日の朝食か夕食だ」となったり。
最も重大なのは昨日まで食欲たっぷり、元気いっぱいだったのに、朝起きたら発熱するパターンです。
予定された休みのために仕事の調整をしていても、急な休みはどうしても調整が付け難くなります。そうすると職場に迷惑がかかってしまいます。そのため、何がなくても仕事は前倒して進めておく必要が出てきます。また、かなり余裕ができた場合は業務内容そのものの効率を改善する方法を模索しています。
コミュニケーション能力
子育ては園・夫・義父母・ママ友など色々な人と関わりながら過ごすようになります。また、習い事、家族旅行、園の行事、扶養の手続きなど、どれをとっても広く浅くやることが増えます。それを家事や仕事の合間にやっていくのです。 特に、子供に不利益を被らないために、不当な扱いをされないためにはどのようなコミュニケーションや計画が必要なのか?は慎重に考えます。
事実だけを伝えて相手にハンドルを渡すのか、自分の方針を伝えてこちらのペースに巻き込むべきなのか、はさじ加減ですが物事をスムーズに進めるためには大切なことだと実感しています。例えば、ママのあるあるで「今日の夕飯何が良い?」に対して「なんでもいいよ」が一番困りますよね。でも、「麺・パン・ごはん、どれがいい?あっさりとがっつり、どっち?」と聞かれると答える方も答えやすい。子育てをしていると、ママ友や祖父母などとのやり取りでこういった使い分けを行う場面が増えます。
仕事なら次の打ち合わせ予定を決める際、「じゃあ次の日程は◯日でどうですか?」「この週ならどこか空いてますか?」「いつでもいいですよ」は全部ニュアンスが違いますよね。相手や状況に合わせて会話の進め方を変える、こういう小さなことの積み重ねが大事だと思います。
原体験の追体験で自分探し
自分のルーツ
育児を通して自分自身の原体験を追体験をすることができます。そして、子供の頃の記憶が次々と引き出されます。良いことも、悪いことも。これって実はとても大きなことなんじゃないかなと感じる日々です。特に、私は実家と物理的距離が近く、育児を祖父母(自分の両親)に手伝ってもらっているので精神的にも近くなります。
日々の暮らしで何となく感じる心地よさや喜び、違和感やモヤモヤなど場面ごとの感情があると思います。それが育児をする中で「ああ、この経験が今のこの価値観に繋がっているんだな」と気づくことがあります。
先日、祖父の御墓参りを兼ねて母の地元に行ってきました。母の実家はすでに手放してしまったのでなかなか行く機会も無くなっていたのですが、行ってみて色々なことを思い出しました。すごーーく田舎だったので、今は気軽にできない体験を色々していたなと思います。(山遊び、畑作業、川遊び、茶摘み、きのこ狩り、魚とりなど) 例えば、覚えが無いけれど親しみや既視感がある場所は子供の頃に親が連れて行ってくれた場所であったり、そういった場所に似ていたり。
私は若い頃、自分というものが希薄だったので、子育てをしながら自分の芯を育てているような気がします。
親との関わり
子育ては自然界の動物が狩りを教えるが如く、山本五十六の名言のごとく行うものです。
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- お箸で食べる
- お椀を持ってスープを飲む
- トイレで排泄をする
- ティッシュで鼻をかむ
- トイレに行ったらおしりを拭く
- ズボンが履ける
- Tシャツを着る
- 洋服のボタンをかけられる
・・・
ぜーんぶ親が教えてくれたから出来るようになったんです。学校で教えてくれなかったはずなのに自分でできることは、親が教えてくれたから。(ベビーシッターを雇っている場合はこの範疇では無さそうですが、笑。)
これらについて子育てを通して追体験していくのです。親に対して嫌な気持ちになることもあるけれど、同時に少しずつ親の気持ちに寄り添うことも出来るようになっていきます。本当の意味で感謝の気持ちが自然に湧いてきます。
まとめ:子供がいると未来を考える
私は子供がいない頃は未来なんて分からないしね、みたいな考え方をしていました。考えてもせいぜい3〜5年後何していたいのか、結婚するか家建てるかアリかナシか、程度。
でも、子供ができてからはすごく遠い未来までも、自分が死んだ後のことまでも想像して少しでも子供が暮らしやすい世界について考えています。なぜなら、0歳で生まれた子はそこから平均寿命でいったら85歳くらいまで生きるわけです。そう考えると、本人が25歳くらいで独立する頃までに生きる力をつけてあげたい、と思いますし、社会に対してはいつまでも生きやすい社会であってほしい、と願うようになりました。 目の前の子供の成長を見守りながら、自分の行動が子供の将来に与える影響を考えるのです。毎日ではありませんけれど。
だからこそ、仕事でも家庭でも生活の多くの場面でどうすれば上手く回せるんだろう?って考えるようになりました。簡単にいえば視野が広くなったと言うんでしょうか。
この記事は子供育てた方がいいよ!とか言うオススメをしたいわけではありません。もし、育児している間にスキルダウンしてるんじゃないかって不安になる方がいたらそんなことないよ!と伝えたいです。もちろんスキルの維持をする努力は必要だと思いますが。世の中、たった1年ちょっと休んだだけで本当に浦島太郎みたいな仕事はそうそう無いと思いますし。