お盆休みや年末年始で1週間くらい休んでいると、休み前の仕事を忘れていることがありませんか? 育休で1年あるいはもっと長く休んでいると、出産前に当たり前だったことをすっかり忘れてしまいます。 それが育休復帰の漠然とした不安につながったりします。
育休明けは元の部署に戻ることがルールなので、基本的に以前と同様かそれに近い仕事をすることになります。なので、産休前と育休明けにほんのちょっと工夫することで復帰のハードルを下げることができます。 ということで、私がやっておいてよかった工夫を紹介します。
育休を終えるまで
育休復帰前に出来る準備はたくさんあります。
産休前の仕事納め
2つに分けて考えます。まず「仕事を小分けにする」、次に「自分用マニュアルの作成」です。
仕事は小分けにする
新卒の頃は一つ仕事かなり大枠で捉えていました。「〇〇の報告書を作る」みたいな。でも、それって逆に効率も悪いし融通が効かないんですよね。今じゃ、結構よく知られた考え方ですが、実際にやるとなると結構練習しないとできない。
例えば、報告書を作ると言っても色々な段階がありますよね。それを意識的に分解します。分解すると一つ一つのやることが小さくなり、いくつもセーブポイントができます。そうすることによって、着手する順序をある程度崩せる、細切れ時間を活用できるというメリットが生まれます。
- 何を書くか検討する
- データや資料を集める
- レイアウトの検討
- 下書き作成
- 上司に下書きを見せる
- 本式に作り込む
- 足りない資料を再度集める
- 上司と相談しながら細部を調整していく
余談ですが、書類の体裁って意外と好みがあるんですよね。作り込む前にちょいちょい上司と相談することで、余分な手間を省けます。そして、上司が変わると使うソフトも変わる。エクセル派、ワード派、パワポ派、色々な方がいます。フォントについても同様でMSゴシックでチームリーダーに提出したら、メイリオになって返され、上長に提出したらMS明朝とTimesNewRomanになって返ったきた、みたいなこともありました。さらには、上長が作成した文章の単語だけ変えて提出したら、この言い回しは変だよと言われたり。フォントくらいなら勝手に好きなようにしてよ、と思いますが、ソフトやレイアウトを途中で切り替える嫌ですよね。なので、変な話ですが書類のレイアウトなどはこだわらないように心がけてます。正直、…体裁に文句言うなら初めから統一のフォーマットを用意してくれたら良いじゃんと思っています。
新人に戻ったつもりで自分用マニュアルを作る
引き継ぎが無くても全く知らない方に引き継ぎ書類を作る要領で作成していきます。
一般的なことから細かなことまで書くと良いと思います。
- 朝はメールチェック〇〇時から〇〇分
- データ整理は〇〇データを何件で〇〇分
- 午前中は〇〇業務、午後はXX業務
- 伝票や書類の整理に〇〇分
- 小さな雑務を後回しにしない
- PCの更新・再起動は仕事終わりに毎日やっておく。
- 書類のシュレッダーはXX、ゴミ出しは〇曜日
同じ作業の繰り返しでは無くても、誰でもある程度の仕事のやり方みたいなものを持っていると思います。ポイントは1日のルーチンを工数、注意事項を合わせて細かくメモしておくことです。そうすると、復帰後もこのくらいだろうか?と考えやすいです。(毎日職場に行っていると、だいたい帰宅前にPCを更新してシャットダウンとかを選択しますよね。でも、更新をいくつも後回しにしていると、ある時出勤してPCを立ち上げると同時に更新・再起動が延々続いてしまうことになったり。)
それから、ミスやトラブル、その時の対応もメモしておくと自分がどんなことをしてきたのかわかりやすいです。
私は前職で育休復帰をした際は研究補助だったので、自分なりの機器の取扱説明書や実験マニュアル、注意事項を書きためていました。派遣だったこともあり、いつかはこの仕事から離れる。そのいつかの時のために少しでも自分を積み重ねておかないと、という気持ちがあったからです。1日1ページ分のスキルを積み重ねるイメージで書きためていました。(5年でノート10冊分くらいになってました。)これが育休復帰でとても役に立ちました。結果的に引き継ぎ相手が自分になり、復帰した際に過去の自分の仕事を遡ることができたからです。
家事サービスをはじめておく
意外とめんどくさいのがサービスの選定。私はママ友に紹介してもらい、育休中におうちコープを始めました。食事以外に家事代行で月に1回家の掃除をしてもらったり、洗濯代行に出したりしているご家庭もあるみたいです。ネットで適当に決めた方と、ママ友から紹介された方と色々でしたが、ママたちが口を揃えて言うのは「探すのがめんどくさかった」です。私も家に他人を入れることさえ受け入れられれば色んなことが解決するのかもしれない、と思ったりします。うちはおうちコープしかしていませんが、お金があれば使いたいのは以下の3つ
- ネットスーパー
- 家事代行サービス
- 宅配クリーニング
便利家電の導入
食洗機・乾燥機・ロボット掃除機、この3つは重要です。
便利家電は現代のメイドさんです。全部揃えて40万くらいでしょうか。正社員の方の育休復帰ならすぐに元がとれます。機種については全力で迷って楽しみながら選んで欲しいですが、買うか買わないかは悩む必要すらないと思います。
育休明け
得意でなくてもPC作業を効率化
私は産休明けで戻る職場では作業したデータを提出して仕事が完了するといった形でした。なので、データ処理にかかる時間を減らすためにVBAを使い始めました。特別PCが得意なわけれはありませんし、ずっとPCに向かっていると肩が凝ってしまうようなタイプです。が、データ整理が仕事上の律速になっていたため取り組みました。別にSEになるわけじゃないし個人で使うだけなので、ササッと必要なデータが処理できれば多少のバグがあっても良いのです。上司の意向でまとめ方が変わることがほとんどなので、全自動化したところで無意味ですし。その程度なら本1冊読み込んで、ネットの情報を駆使すれば30分かかっていたデータ整理も10分でできるようになりました。
報告書の体裁もあらかじめ整えておき、記入して提出するだけに。これもVBAでなんとかしたいなーと思っているところで派遣切りになりました、泣。他にもこれまでほぼ使わなかったWordの差し込み文書機能も使い始めました。VBAは学習コストが大きいので、既存のオフィスソフトの機能に精通するだけでもチリツモで気づくと仕事が楽になってるんですよね。それに日本中がまだまだMicrosoft Officeで動いているので意外とどこに行っても使えるスキルなんですよね。
今はオンラインで感覚的に操作できる入力フォームの導入を検討しています。ハードルは個人アカウントなら無料だけど、法人アカウントはだいたい有料なので使っても良いか上司と要相談ですね。何か良い方法があれば教えて欲しいです。
進捗管理を丁寧に行う(日誌や申し送りなど)
「何をどこまでどのように進めているのか」は常に意識しました。データは共有サーバに入れていたので上司が常に見たいときにチェックするという状況でした。なので、進捗も報告書に〇〇中などとメモしていました。育休復帰した当初は子供が毎週病気をもらってきます。うちの子は夏休み前くらいまで、毎週末鼻垂らしたり咳き込んだりしてました。そして、週明けに自分の体調が崩れるというルーチン。解熱剤を飲んで無理やり出勤した日もありました。それでも自分が嘔吐下痢になり休むときは不安でした。でも、「〇〇がXXの状態ですよ」と状況を共有していたことで、次に出勤すると「〇〇は△△にしておきましたよ」など言って貰えてスムーズに仕事が進んでいきました。これは上司と私の2人の部署だから成立したことかもしれませんが。
家事のために睡眠を削らない
寝かしつけの記事でも書いたのですが、子供を早く寝かして家事をしたり自分の時間を持つ方多いと思います。やっと1人で過ごせる夜の時間。でも、寝ることをお勧めします。疲れが溜まっているかもしれませんし、そのほんの少しの夜更かしで翌日のペースや気分が乱れたりするからです。私は睡眠不足でイライラして、仕事上で感情的な言い回しをしたり子供を怒鳴りつけたりして落ち込むことがあります。
産休前にしておけばよかったことは家族会議!
夫が転職した
我が家は産後2ヶ月で夫が転職活動を始め、息子が半年頃に本当に転職してしまいました。私は嫌だと伝えても、夫の決意は固かったです。それからと言うもの、夫は出張出張でほぼワンオペの日々。エライ目にあっています。
旦那さんがリアルに家事育児をしながら仕事もするということを想像できていないと、このような事態に陥ります。一度、この流れが始まったらそう簡単に止められません。我が家の夫はすっかり仕事人間で、今は3歳の息子と妻を家に置いて海外で単身赴任です。
ということで、3人分の復帰ライフを書き出して家族会議をすることを強くお勧めします。
家事分担が崩れた
育休を取得した奥さんに家事と育児をまるっと任せるご家庭は多いと思います。そして、復帰しても奥さんに任せっぱなしになってしまう家庭も多いと思います。うちは幸い短時間パートだったので、家事をする時間がとれました。が、普通の時短正社員で家事育児を全て負担するのは結構大変だと思いました。よく聞くのは奥さんが寝かしつけをしてる時間に旦那さんが個人的な買い物に行ってしまったり、資格の勉強を始めてしまうパターン。奥さんが寝かしている間に洗濯物の片付けや風呂掃除でもしてくれたらどんなに楽でしょうか。1日のうちの30分とか少しくらい良いでしょ!?と思われるかもしれませんが、ママはその1人で行動できる自由な30分を捻出するためにどれだけ悪戦苦闘しているか。
職場で久しぶりの仕事に悪戦苦闘するように、パートナーにも家事育児に復帰してもらわなければ共働き家庭は回らないのです。負担割合はご夫婦ごとにあるでしょうが、周りを見ていると夫婦円満なところはパートナーがしっかり家事育児のための時間を確保している印象です。夫はよく「言ってくれればやるのに」と言いますが、指示を出すのがどれだけめんどくさいか知っているのかなと思います。自分だって働いているのに、という気持ちを押し殺して下手に出ておだてて頼まなければならない。保育園や子連れの買い物で常に頭を下げ、家に帰ってもパートナーに頭を下げて家事を頼むって本当に疲れます。
まとめ
我が家は仕事と家庭のペースをつかむまですごく大変でした。産休前の業務記録で過去の仕事量を見て、以前の自分て頑張ってたんだなと素直に思いました。育休復帰してから、自分の頑張りではどうしようもないことが多いので素直に謝ることが増えました。「親の頭は(子供のために)下げるためにある」という言葉を噛み締めて過ごしています。今も新たな職場で仕事と家庭の配分に悩まされています。
もちろん手入れが行き届いた家は過ごしやすいものです。でも、タオルは畳んでなくても使えるし、排水口は次の日に掃除しても死にません。おもちゃは整頓されていなくても、箱にゴロッと入れておけば踏み潰すこともありません。それでも散らかった部屋を見ていると心の中がざわつきます。
きっと子供がもう少し大きくなるまでこの悩みは続くんだろうなぁ。